報道の自由度ランキングはあてになるものなのか
「報道の自由度ランキング」というのをたまに見かける。
日本の2017年の順位は68位。
報道の自由度ランキングってなんなんだろうか。
報道の自由度ランキングを出しているのは、国境なき記者団。
国境なき記者団は、フランスの元ラジオ局記者ロベール・メナールが創設したNGOである。
さて、報道の自由度について見てみると、自国の首相を公然と批判できる日本の順位が香港の一つ上(2017年)という謎のランキングから、これって日本支部?が左側で、要するにバイアスがあるんじゃないだろうかと考えてしまう。
早速ホームページを見たところ、算出方法について書かれていた。
https://rsf.org/en/detailed-methodology
ざっとみると以下のような感じ。
・87の質問集を media professionals, lawyers, sociologists に回答してもらう
・質問集から独自の計算式を使ってSCOAを出す
・質問集とAbuse Scoreから独自の計算式を使ってSCOBを出す
・Abuse Scoreはジャーナリストの収監期間によって算出される
・SCOAとSCOBの点数の悪い方を採用する
アンケート形式ということは、回答者の主観をあつめて点数化して、それを他の国と比較していることになる。つまり、現状に満足している回答者が多い国や言論統制がなされている国がが高得点になりやすい。
Abuse Scoreは算出根拠は不明だが、導入された2013年に順位が大きく落ちているのは、日本(!?)、マリ共和国、タンザニアでその他は特に影響はなさそうな感じであった。
ということで傾向としては以下のようになりそうである。
・順位の高い国は、現状に満足(自国好き、現政権好き、etc)の回答者が多く、大人数のジャーナリストを長期間投獄していない
・順位の低い国は、現状に不満(自国嫌、現政権嫌い、etc)の回答者が多い、または大人数のジャーナリストを長期間投獄している
結論としては・・・
「質問票への回答者の気分次第で変わるものなので(比較基準が一律ではないので)気にしなくていいのでは」
というものでした。